たとえばきみがいなくなったら
2003年12月3日たとえばきみがいなくなったら
あたしはベッドを真紅に染めて
最後の最後まで泣き腫らすことなどなく
君を追いかけるのでしょう
たとえばきみがいなくなったら
あたしは雪の中で静かに埋もれて
春を待つ白樺と一緒に
景色に溶けて行くのでしょう
たとえばきみがいなくなっても
世界は何一つ変わらないけれど
あたしは世界に黒いフィルターをかけて
今夜も眠りにつくのでしょう
あたしはベッドを真紅に染めて
最後の最後まで泣き腫らすことなどなく
君を追いかけるのでしょう
たとえばきみがいなくなったら
あたしは雪の中で静かに埋もれて
春を待つ白樺と一緒に
景色に溶けて行くのでしょう
たとえばきみがいなくなっても
世界は何一つ変わらないけれど
あたしは世界に黒いフィルターをかけて
今夜も眠りにつくのでしょう
懺悔
2003年11月9日いくつの季節があたしを貫いていきますか
いったいどれだけの悲しみできみを救い出せますか
もうこれ以上ない痛みなどとうに突き抜けてしまったのに
涙を流したところで無駄なことぐらい知っているでしょう
だからさっさとその腰を上げて眠ってしまいなさい
いったいどれだけの悲しみできみを救い出せますか
もうこれ以上ない痛みなどとうに突き抜けてしまったのに
涙を流したところで無駄なことぐらい知っているでしょう
だからさっさとその腰を上げて眠ってしまいなさい
どうして
2003年9月5日つまづいて、転んで、泣いた。
クローゼットの中には
どうして着ない服ばっかり
閉じ込めている
些細な言葉に、ぐらついて、ただ。
「いま」のあたしに
価値を見出してよ
未来への期待よりも
うそだと、いって、ほほえむのに。
どうして、きみは、うしろをむいて、ねむるの。
つぶやいたことばが宙に舞う
きみには届いていますか
クローゼットの中には
どうして着ない服ばっかり
閉じ込めている
些細な言葉に、ぐらついて、ただ。
「いま」のあたしに
価値を見出してよ
未来への期待よりも
うそだと、いって、ほほえむのに。
どうして、きみは、うしろをむいて、ねむるの。
つぶやいたことばが宙に舞う
きみには届いていますか
レントゲン
2003年8月31日レクイエムをやめたら
また誰かが悲しんだ
そんな呪縛が重なって
まだ抜け出せない午前二時
骨のない手首も
傷だらけの腕も
見透かして天は回って
大事なものはとうに全部なくした
だから何も怖くはない
あたしがかろうじてわかるのは
きみの言葉は半分強がりで
そう思わないと生きていかれないことくらい
また誰かが悲しんだ
そんな呪縛が重なって
まだ抜け出せない午前二時
骨のない手首も
傷だらけの腕も
見透かして天は回って
大事なものはとうに全部なくした
だから何も怖くはない
あたしがかろうじてわかるのは
きみの言葉は半分強がりで
そう思わないと生きていかれないことくらい
なんでもいい
2003年8月26日吐き出すとか
まとめるとか
そういうことをしないと
わたしのこころは
どうやら機能しないので
きたない気持ちで
きみを汚したくないと
つぶやいて、うすっぺらくわらった。
そういうことなんだよきっと。
まとめるとか
そういうことをしないと
わたしのこころは
どうやら機能しないので
きたない気持ちで
きみを汚したくないと
つぶやいて、うすっぺらくわらった。
そういうことなんだよきっと。
ドアを開けて
2003年8月7日しかめたおでこを かくして
眠りについていた それだけ
雨の匂い ひとつひとつ
ほどいて 忘れてよ全部
暗がりでゆっくりと動き出す
繋いだ今すら不確かで脆くて
明日の今頃にはきみはきっと
眠りについていた それだけ
雨の匂い ひとつひとつ
ほどいて 忘れてよ全部
暗がりでゆっくりと動き出す
繋いだ今すら不確かで脆くて
明日の今頃にはきみはきっと
居場所
2003年7月15日手を伸ばして
つかまえようとしたの
だけど世界はぐるぐるとまわって
だからあたしひたすらに願った
君から出ているコードにつながるプラグに
あたしとおんなじものがあるならどうか
ありきたりな形しか持ち合わせのないあたしに
おんなじ形をわけてくれるならどうか
世界は今も回り続けて
あたしのコードもプラグも
スイッチが入るその瞬間を
つかまえようとしたの
だけど世界はぐるぐるとまわって
だからあたしひたすらに願った
君から出ているコードにつながるプラグに
あたしとおんなじものがあるならどうか
ありきたりな形しか持ち合わせのないあたしに
おんなじ形をわけてくれるならどうか
世界は今も回り続けて
あたしのコードもプラグも
スイッチが入るその瞬間を